海外だより
北欧医学"あれこれ"(2)
沢村 献児
1
1国立療養所近畿中央病院外科
pp.828-829
発行日 1966年6月20日
Published Date 1966/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204008
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看護婦制度
デンマークでは,看護婦になるには中学卒業(小学校7年,中学3年)または,国民高等学校卒業(年齢19〜20歳)後,半年間のホームメイドが義務づけられ,これらを経たものが看護婦学校学験の資格が与えられる.他人の家庭の家事手伝を義務づけているのは,ナイチンゲール精神を体得させる一助にするものであろう.大病院に附属した看護婦学校の入学試験は他の業種のそれよりも難しく,収入も良いので若い女性のあこがれの的になつており,半年間の基礎学修得の上,3年間病院の実習と講義があり,この間,4ヵ月毎の試験と最終の国家試験がある.卒業するとその出身校(病院)のバッジを常時胸に着け,これに誇りを持つている.この国には看護婦麻酔士制度があり,これを取るにはさらに2年〜3年の実地訓練の上国家試験を経てこの資格を取得する.なお,面白いことに看護夫も少数ながらおり,看護婦同様に出身校のバッジをつけ,手術の介助をしたり麻酔をかけたりしている.給与も同程度とのことであつた.
看護婦の数はかなり多いと思われるが,それでも人手不足とかで,外国人看護婦もかなりおり,老齢の看護婦も病院によつては半数以上を占めている.
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