連載 ヘルスセクターリフォームの国際動向・2
ヨーロッパ(西欧・北欧・南欧)
竹内 百重
1
,
長谷川 敏彦
1
1国立医療・病院管理研究所医療政策研究部
pp.155-162
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901845
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欧州における健康変革の概観
ヘルス・セクター・リフォーム(健康変革)は前号で述べたように国際的に広がっており,本稿で概観する欧州地域においてもほとんどすべての国でなんらかの健康変革が進行中である.
前回示したように,欧州の医療システムは,ファインナンシングと医療供給のパターンにより大まかに三つに類型化される.すなわちイギリスNHS(National Health Service)に代表されるビバレッジ型,社会保険のビスマルク型,そして旧ソ連邦に代表されるセマシュコ型である.各類型の特徴は表1のとおりである.本稿ではさらに,社会保険制度を導入していたにもかかわらず,1970〜80年代にかけてNHSを導入して様々な問題を抱える南欧諸国や,NHS型でコミュニティ型福祉国家としての行き詰まりをみせている北欧諸国についてもビバレッジ型の類型として言及する.なおセマシュコ型の健康変革の詳細については,本連載第4回において別稿で論じることとする.
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