文献展望
carcinomatous neuromyopathy
pp.830
発行日 1966年6月20日
Published Date 1966/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204009
- 有料閲覧
- 文献概要
Brain誌(Vol.88, Part 3, 1965)に8編の癌性神経筋症の報告があり,注目されなくてはならぬもので,ここに取扱いたい.Croft & Wilkinson (pp.427-434)はその162例について半数が肺癌にもとずくが,sensoryneuropathyでは75%が肺癌.神経症の50%はneuro-muscular typeで,次がperipheral mixed型,その次が小脳および脊髄型.sensory型では中枢,なかんづく後根神経節に免疫学的competent cellが出現(Hashimoto病ほど高度でない)し,ネウロンに破壊がある.剖検時より数ヵ月前に完成した病変であろうと云うので,自家免疫性成立を示唆した.木症患者血清に自家抗体を証明したのはGrace (Cancer 12:648, 1959)の乳癌2例,Curtis (J.A.M.A.178:571, 1961)の気管支癌1例だが本報の1人Wilkinson (Lancet 1:1301, 1964)はsen-sory型に補体結合型抗体を証明し,その自家免疫病性成立の可能性を示したが,他の型のneuromyoには抗体が証明しえないとしている点,本報と一致する.Wilkin-son & Zeromski (pp.529-538)は重層螢光抗体法を用いて,sensory型に1例を除き,陽性の結果をあげた.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.