連載 スウェーデン発トナカイ通信・2[最終回]
北欧の聖夜をご存じですか
田中 光三
1
1タルバッケン老人慢性病患病院
pp.264-267
発行日 1991年3月1日
Published Date 1991/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900349
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11月の中旬頃になると,吹きすさんでいた木枯らしも止み,朝晩霜が降り始めます.この頃タルバッケンでは「クリスマス用の飾り物を手作りする夕べ」が2晩ほど持たれます.スタッフがリハビリ棟に集まって,クリスマスの間,入療者たちの部屋や窓辺に吊り下げるためのちょっとした装飾品を手作りするのです.
スウェーデンでは,クリスマスの時期が近づいてくると,“グレーク”という飲み物が売り出されます.これは香料の入った温めて飲むワインで,細切れにしたアーモンドと干しぶどうを混ぜて飲みます.このグレークをすすり,おしゃべりをしながら和気あいあいと飾り付けの工作に励みますので,スタッフ同士の親睦の集いにもなります.この国の人たちにとって,精神的にはこの時期からそろそろクリスマスが始まるのです.
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