Medical Notes
胃切除後の骨軟化症/膵損傷
pp.827
発行日 1966年6月20日
Published Date 1966/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204007
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Jones (Stammer, Gastrectomy, pp.190, 1963),Deller (Austr.Ann.Med.12:295, 1963),Clark(Proc.R.S.Med.57:580, 1964)が胃切後10〜15%の頻度で骨粗鬆・骨軟化症の発生することを指摘し,本欄でもCrooksの成績を紹介した.alk.Pase上昇,低Ca血は30%近い.本邦でもこの方面に十分の関心が必要であろうと思われる.Morgan (Lancet 2:1085,1965)らはYork County Hosp.1年2ヵ月の胃切1228名についてこの方面を精査した.消化性潰瘍で胃手術を受けない183名では,低Ca血症5.5%.迷切239名では9.2%,Polya手術681名では16.1%.この値を血漿蛋白で補正すると,おのおの1.6, 3.8,および5.3%となる.低Ca血は50歳以下より60歳以後の患者に好んで発生する.術後時間経過はこの数字に大きく関係しない,alk.Pase上昇はそれぞれ6.2%,8.4%および12.3%であった.これも60歳以後に特に頻度が高い.骨生検,vit D負荷で骨軟化のないことが確かめられたのは胃切のうち100名ばかりであつた.
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