実地医家のための診断シリーズ・9
排便障害と直腸肛門の検査
長洲 光太郎
1
,
高橋 正司
Kōtaro NAGASU
1
1関東逓信病院外科
pp.1383-1386
発行日 1965年10月20日
Published Date 1965/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203779
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Ⅰ.排便障害
排便障害と便通異常とは必ずしも同じものではない.食中毒や腸炎の時の下痢は普通排便障害とは言わない.しかし慢性便秘やテネスムスは排便障害と呼ぶし,単なる下痢と思つていると,実は通過障害口側の急性腐敗性腸炎であることもある.潰瘍性大腸炎などは突然血便をもつて発病することがあるし,排便停止とテネスムスとを示す患者をしらべると単に直膨大部に大量の糞便が充満し,直腸筋を過度に伸展しているためで,指で便をのぞいてやると症状が消退するfecal imp-actionというものがある.だから排便障害はつぎのように分類してよいであろう.
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