研究
脊髄障害者における排便の自己管理—直腸粘膜の刺激による排便反射の誘発法
比嘉 元子
1
,
渡辺 洋介
2
,
仲間 理
2
,
下地 みさ子
3
1琉球大学医学部附属病院リハビリテーション部
2琉球大学医学部附属病院理学療法
3琉球大学医学部附属病院作業療法
pp.169-176
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201018
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はじめに
脊髄障害者の社会復帰を考える場合,排泄機能障害とその自己管理が重要な問題となる。松井1)の報告によると,脊髄損傷者の排便障害は90%に発症し,排便間隔は全脊髄損傷者の70%が5日以内に1回,排便時間は63%の人が30分以上,その内29%が60分以上であるという。また,排便の自立可能者はわずかに48%で,排尿障害の自立可能者72%とは大きな開きがある。
この差は,排便の管理に対し,専門家の関心が薄く,研究が遅れていること(1967〜1987年の20年間に本邦で発表された排便訓練に関する論文は,専門誌で6例,看護学会で2例),および,訓練の指導は,労災病院やリハビリセンターなどの限られた施設でしか行なわれていないことが原因と思われる。
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