Japanese
English
特集 腹部疾患縫合不全
胃・十二指腸手術の縫合不全
Leakage following operations upon the stamach and duodenum
高山 坦三
1
,
野崎 成典
1
Tanzo TAKAYAMA
1
1札幌医大第一外科
pp.713-718
発行日 1965年6月20日
Published Date 1965/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203629
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Ⅰ.
胃・十二指腸手術にさいしておこる合併症は第1表のようなものがあるが,とりわけ術後の経過を危険に陥れる最悪のものはIの1の縫合不全であろう.吻合部および断端閉鎖部の縫合線が破綻し,内容が腹腔内に洩出して限局性あるいは汎発性腹膜炎を惹起し,早期に発見して適切な処置を講じないと患者の予後はきわめて不良であり,大部分が死の転帰をとる.この縫合不全は,Mooreが"Good technique is a sine quanon"〔万全の手技こそ必須条件である〕と喝破したように,まず手術手技上の過誤に起因するといつても過言ではなく,その大多数が縫合にさいして注意を払えば未然に防止できるものであつて,このたびはとくに実地に役立つようにむしろ縫合不全をおこさぬ注意を目標とし,縫合不全をおこす諸因子とともに手術にさいして留意すべき事項を述べることにする.
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