グラフ
胃・十二指腸穿孔の診断と治療
四方 淳一
1,2
1東京都立墨東病院外科
2東京大学
pp.141-145
発行日 1965年2月20日
Published Date 1965/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203530
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胃・十二指腸穿孔による汎腹膜炎は急性腹症のうちで最も派手な疾病の一つである.患者は多くの場合に潰瘍症状の既往歴があり,穿孔症状としては突然上腹部に激痛を覚えることが大部分である.局所所見としては,上腹部は板状硬を呈し,又ショック症状を呈する場合もある.レ線検査により腹内腔に胃より出た遊離ガスを証明すれば診断は確実である.
経鼻的胃ゾンデによる胃内容の持続的吸引や化学療法を行うと共に,多くの場合に脱水症状を呈しているので補液が必要である.勿論,ショック状態を呈している時は抗ショック療法を行う.潰瘍からの出血により貧血を起している症例では輸血を必要とする.
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