グラフ
進歩する超音波診断法
和賀井 敏夫
1
1順天堂大学第一外科
pp.1330-1335
発行日 1964年10月20日
Published Date 1964/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203441
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耳に聞えない音"超音波"の応用が近年いろいろの分野でめざましい発展をみるようになつた.超音波の応用は通信的応用と動力的応用に大別される.前者は広義の計測で,医学領域では超音波の診断的応用ということになる.後者は超音波によつてなんらかの影響や変化を与えることを目的とするいわゆる強力超音波応用といわれるもので,医学的には広い意味での治療的応用といえよう.音を用いる診断法は古くから診断学の一つの基本をなしてきたが,超音波を用いることにより生体組織のいろいろな音響的特性が判明し,得られる情報の分析やこれに基く診断の精度が増し,また指向性が鋭いのでいろいろの走査法を用いて人体径部の断面像を明瞭に画きうるようになつたことは,超音波を用いる診断法の将来に期待をいだかせるものであろう.新しい形の超音波治療としては超音波の光学的取扱いに基く集束超音波(超音波メス)による手術の応用などがその代表的なものである.
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