論壇
超音波診断法と臨床検査
和賀井 敏夫
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1順大超音波医学研究センター
pp.410-411
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908504
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超音波という周波数が非常に高い音波を利用する新しい診断法,すなわち超音波診断法といわれるものが,いろいろの電子技術を取り入れながら急速な進歩を示し,一方では臨床的にもかなりの普及がみられるようになってきた.この理由として,超音波診断法は臨床的にいろいろのメリットがあること,その適応が非常に広くなってきたこと,装置の面でもかなりすぐれたものがみられるようになったこと,さらに最近社会保険点数が改訂されたことなどによるものと思われる.特に超音波診断法の研究の歴史や研究の実績からいってわが国は常に世界のトップレベルにあり,現用装置ではその機種の多いことや性能の点で世界に誇れる状況にあることは喜ばしいことである.
このような情勢の中で,超音波診断(検査)のいわゆる"臨床検査化"が考えられるようになってきた.すなわち,超音波診断法が普及するにつれて検査件数の増加,診断対象の拡大がみられるようになり,これに伴って"臨床検査化"が考えられるようになるのは当然である.具体的には何科で,またはだれが検査を担当するかということである.これはすでに世界各国でも問題になっており,その傾向は各国における研究の取り上げ方や,病院の制度の相違などによりまちまちである.
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