グラフ
静脈の外科—静脈移植の場合
杉江 三郎
1
,
渡辺 正二
1
,
村上 忠司
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科教室
pp.861-865
発行日 1964年7月20日
Published Date 1964/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203367
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静脈移植の問題は外科臨床のなかで,いわばとり残された領域のひとつであり,上大静脈閉塞症候群や,下大静脈あるいは腸骨静脈閉塞などの場合に,静脈移植の必要性は痛感されながら,今日まで適確な方法というものがなかつた.
最近の文献や,われわれの教室の広範な実験的研究からも材質としては,静脈に関する限り自家,同種,および人工血管ではテフロン(Teflon)がもつともすぐれていることが認められた.吻合法は,器械縫合でも手縫いでも特別の差異はないが,要は内膜の適合に注意をはらい,損傷を防止する慎重な取扱いがもつとも重要な条件であるように思われる.
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