Japanese
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特集 心臓と血管の外科
論説と症例
原発性鎖骨下静脈血栓症の手術治験例
Primary thrombosis of subclavian vein, treated successfully with thrombectomy and patch grafting
村上 忠司
1
,
川上 敏晃
1
,
飯塚 栄治
1
,
高瀬 浩
1
,
高橋 透
1
,
磯松 俊夫
1
,
杉江 三郎
1
Tadashi MURAKAMI
1
1北海道大学医学部第二外科教室
pp.562-567
発行日 1970年4月20日
Published Date 1970/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205090
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はじめに
上肢の深部静脈血栓症は稀な疾患であり,Coon3)らによると15年間,2400例の深部静脈血栓症中,上肢のそれは1.3%である.その多くは悪性腫瘍の浸潤あるいは圧迫によるもの,または心不全に合併してみられている.しかし明らかな原因が認められない場合もあり,これに対して文献上種々の名称がつけられている.すなわちprimayyあるいはidiopathic thrombosis,effort thrombosis,traumatic,so-called traumatic thrombosis,Paget-Schroetter syndromeなどとよばれている.この上肢の原発性深部静脈血栓症の報告は本邦においては極めて少なく,調査した範囲では杉村ら21),紫野ら19)の各1例のみである.われわれは最近その1例を経験し,血栓剔除により好結果を得たので報告する.
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