Caseに学ぶ 一般外科医のための血管外科応用手技・7
縦隔腫瘍と上大静脈移植
橋本 正人
1
,
田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.1977-1981
発行日 1987年12月20日
Published Date 1987/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209888
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はじめに
上大静脈に浸潤し,その切除再建を必要とする縦隔腫瘍はほとんどが胸腺原発でその大部分は胸腺腫である.上大静脈症候群の原因疾患中,最も多いのは肺癌で,縦隔腫瘍がこれに続くが,肺癌ではこのような場合手術適応とならない症例が多いのに対し,胸腺腫では遠隔転移が少なく,進行例でも局所切除,放射線治療の併用によつて長期生存が得られるため,上大静脈切除再建を含めて積極的に手術が施行されている.
上大静脈浸潤のある悪性胸腺腫の1手術例を呈示し,上大静脈再建を中心に手術手技上の問題点について述べる.
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