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骨折の手術
岩原 寅猪
1
1慶応大学医学部整形外科
pp.391-392
発行日 1964年3月20日
Published Date 1964/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203290
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骨折を切れば治るような気で治療しないことである.切ることは二の次ぎである.手術の前によき診断が要る.すべての手術にそうであるが,骨折の手術にはゆきとどいた機能外科的診断を欠くことができない.切れるから切るでは困る.切ることは誰れでもいつでもできる.切るべきものは決つており,切れる人は限られている.へたに手を出さないことである.なま兵法はけがのもとである.
手術するからにはしつかり腹をすえてかかることであり,機能の復元に責任を持つてかかることである.そう簡単に手は出ない筈である.
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