アンケート
手指の動脈血行不全にはどういう手術を選ぶか
石川 浩一
1
,
神谷 喜作
2
,
和田 達雄
3
1東京大学
2名古屋大学
3横浜市立大学
pp.388-390
発行日 1964年3月20日
Published Date 1964/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203289
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
手指に動脈血行不全をおこす疾患には,外傷・塞栓・血栓による急性動脈閉塞,脈無し病・Buerger病・動脈硬化症などによる慢性動脈閉塞,Raynaud病病振動工具によるRaynaud症候群などの血管収縮性疾患,あるいは前斜角筋による一時的の血行障害,などがあり,これら血行不全をおこす原因のいかんによつて対策が異なるわけである.
急性動脈閉塞に対しては,可能なかぎり早朗に病変部を露出して,塞栓や血栓を除去するよう方針を立てている.ただ,塞栓の場合には塞栓の部位を発見することも,これを除去することも容易であるが,原疾患となつている心疾患の管理に注意が必要であり,またのちに新しい塞栓が再発する可能性が多いことを知らねばならない.血栓症の場合には,閉鎖範囲が広く,動脈壁に変化をおこしていることが多いので,動脈切開を諸所におくとか,retrogademilkingを行なうとか,切開部にた伏在静脈のpatchgraftをおくとか,いう点に注意し,術後の動脈撮影などで動脈管再開を確かめることが必要となる.
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.