喫茶ロビー
骨折手術夜話
德橋 泰明
1
1立川記念病院整形外科
pp.488-488
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_488
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- 文献概要
教授を退任してからアルバイトのかたわら骨折の手術現場をみる機会が増えました.自分が骨折手術の術者として主役であった30数年前と比較して大きく様変わりしていることに驚かされました.そして後輩たちの手術の手際のよさ,術後X線像のできの素晴らしさに驚かされました.まず,手術時間の短縮です.もちろん骨折の部位,粉砕,転位の程度にもよりますが,90%以上の骨折が空気止血帯1回使用のうちに終了します.空気止血帯を使用しない手術を含めて30年前の私たちの約70%の時間で手術が終了している印象があります.みていてうらやましく思う反面,難渋した骨折手術の達成感,その後外来での骨癒合到達の満足感が忘れがたいのも思い出します.今の主役たちは難渋することが少なく,私たちが得た達成感,満足感を真に理解できないかもしれません.
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