Japanese
English
症例
胃瘻造設術後明らかなダンピング症状を呈した1例
A case of the dumpfing syndrome after the establishment of the gastric fistula
古松 博
1
,
中山 祐
1
,
比企 能樹
1
Hiroshi YOSHIMATSU
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.273-276
発行日 1964年2月20日
Published Date 1964/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203274
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近年医学の進歩と共に,胃切除術における死亡率は非常に低下した.反面,胃切除術が多く施行されるのに伴つて,術後,ダンピング症候群に悩まされる患者の数は決して少なくない.そして術後の回復の大きな障害となつている.胃の機能の1つは嚥下した食物を貯えることであり食物は少量ずつ幽門を通つて排出されるが,この機能が失なわれると,食物は直ちに空腸に入りダンピング症候群と呼ばれ不快な症状を起す.本症候群は,嘔気,眩暈,腹部膨満感,冷汗,心悸亢進等を主とし,本来,胃切除あるいは胃全剔後に発生するものであるがわれわれは単に胃瘻造設術を行なつた患者に本症候群の発生を見た興味ある例を経験したので若干の考察を加えてみた.
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