Japanese
English
綜説
胃切除術後におけるダンピング症候群の外科的治療および予防について
Surgical treatment and prevention of dumping syndrome on the postoperation of stomach
友田 正信
1
,
松隈 守人
1
,
水谷 和正
1
,
友田 秀教
1
Masanobu TOMODA
1
1九州大学医学部友田外科
pp.641-644
発行日 1962年7月20日
Published Date 1962/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202927
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〔Ⅰ〕緒言
私共は,術前愁訴の軽い胃十二指腸潰瘍や慢牲胃炎等に胃切除を行い,術後却つて強い苦痛を伴う予期しなかつた後遺症が現われて来て,当該患者は勿論,その手術を行つた外科医も,いろいろと悩まされる症例に時々遭遇する場合がある.ダンピング症候群(早期および後期)もその後遺症の一つで,その発現頻度は我が国においても決して少くない.日常の食生活に関与するいろいろの愁訴を現わすこれらの症候群は,術後管理上極めて重要な問題である.
扨,ダンピング症候群(早期および後期)の予防治療法については,薬剤投与や食餌管理等の内科的方法もあるが,その効果は不十分な場合も少くなく,また,これら症候群は毎食事に関係するものであれば,上述の予防治療法を常時行うことには不便な場合も少くなかろう.従つて,若し原疾患の治療のみならず,これら症候群の発現をも防止出来るような安全且容易な胃切除術式があれば,最初から斯る術式を施行して,術後後遺症もなく快的に日常生活を患者におくらしめるように外科的に予防することが最も望ましいことは勿論異論のない所であろう.
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