Japanese
English
論説
いわゆる腹部神経症または術後腸管癒着症の心身医学的な取り扱い
Psychosomatic Management of the Abdominal Neurosis or Post-operative intestinal adhesion
石井 良治
1
,
小此木 啓吾
2
,
岩崎 徹也
2
Yoshihinaru ISHII
1
,
Keigo OKONOGI
2
1慶応義塾大学医学部外科学教室
2慶応義塾大学医学部神経科教室
pp.185-189
発行日 1964年2月20日
Published Date 1964/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203258
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まえがき
心身医学psychosomatic medicineとは1),〈心身統一体としての患者に,心身両面から,アプローチする医療上の態度〉であり,現実的には〈従来の医療における身体的アプローチの中に心理学的な観点,あるいは,アプローチを取り入れて,臨床上および研究上の医学の再統合を計る試み〉である.この様な,心身医学の臨床を実践するには,実際は,心理的アプローチを専門とする精神科医と,一般各科の専門医との協力による,いわゆるinterdisciplinary approachをとることになる.
この観点から,われわれは,神経科と外科の間に緊密な協力態勢を設け,腹部外科手術をめぐる心身医学的な取扱いを試みているが,本稿では,この様な取り扱い上,最も問題になるいわゆる腹部神経症,あるいは,術後腸管癒着症などといわれる症例についての心身医学的な取り扱い上の経験と考察を述べたい.
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