手術を考える時
腸管癒着症
西島 早見
1
1徳島大第1外科
pp.116-117
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204581
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最近腹部外科手術は著しく安全となり,開腹症例が増加してきたが,それとともに開腹術後に各種の愁訴を訴えて来院する症例も決して少なくない.これらの愁訴は,手術に関連して発生する各種の合併症,続発症あるいは後遺症など,複雑多岐な原因に由来するが,実地臨床においては発生頻度が高いこともあって,ややもすれば腸管癒着にその原因が求められやすい.
しかし,とくに術後愁訴の治療に際しては,愁訴の根源に立脚した治療が必要であって,正確な診断と手術適応なくして開腹治療を行なうならば,polysurgeryの状態を招きやすく注意が必要で,私どもも常々警戒しているところである.以下,日常の臨床において腸管癒着症の診療上注意すべき2,3の点について述べてみたいと思う.
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