Japanese
English
論説
胃切除後のPostcibal Syndrome
Postcibal Syndrome after Gastrectomy
高山 坦三
1
,
野崎 成典
1
,
戸田 英男
1
Tanzo Takayama
1
1札幌医科大学外科
pp.761-770
発行日 1963年6月20日
Published Date 1963/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203096
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1.はしがき
胃切除後しばしば食餌摂取と関連した一連の不快な症状のおこることは,古くから注目され,患者はもちろん医師をも悩ますものであるが,術前の前準備,麻酔法の発展,抗生物質の出現等により胃手術の直接死亡率がいちじるしく低下したので症状の軽度のうちに手術をおこなう傾向が普及してくるに伴い、ときには術前の愁訴以上の苦痛になりうるこれらの後遺症は,とくにわれわれ外科医の関心の対象となるものであつて,これをいかに予防し,いかに治療するかということが,手術をおこなう立場にとつてまたひとつの重要な課題のひとつとなつたわけである.
この胃切除術後の障害は,Jonas (1908)が食餌摂取後の不快症状を訴えた例を記載したのにはじまり,Hoffmann (1912)はX線透視上残胃より小腸への急速排出を認め,その後Hoffmann (1922)はこの不快症状に対してapylorische Stürzentle-erung mit Splanchnicusschockと称したが,同年MixがDumping Syndromeなる語を使用してから広くこれが愛用されるようになつた.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.