特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅱ)
最近経験し困難であつた2,3の症例
喜種 善典
1
,
樋口 国器
1
1鳥取大学医学部桑原外科
pp.930-934
発行日 1962年8月20日
Published Date 1962/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202970
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まえがき
最近の医学の進歩は実にめざましいものがあり,その発達は将来どこまで達するかわからない.しかし一歩後退して考えてみると,疾患の成因がわからないままに治療が行われている場合もある.また疾患の成因がわかつていても治療に非常にてこずる場合もある.診療の理想は学問的な基礎の上にたつたものであり,成因を解決してこそ新しい臨床的対策が出現するものである.この診療の理想へ一歩前進することが,われわれ若い臨床医家の残された道である.
ここに診療上てこずつた症例の再検討というかかる企画があるのは,はなはだ有意義であると考えざるをえない.いま該当した症例を供覧すると共に,検討を加えていきたい.
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