特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅱ)
脳腫瘍
光野 孝雄
1
1岩手医科大学
pp.769-775
発行日 1962年8月20日
Published Date 1962/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202945
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Ⅰ.肺癌の脳転移例
肺癌は早期に転移を起こし易いが,とくに脳はその好発部位で,肺癌の20%前後に脳転移がみられ,転移性脳腫瘍のうち肺癌よりのものがSimionescu1)38.1%,Rohr2)27.9%でかなり高頻度であり,比較的多いものである.しかし実際には転移癌の診断,治療の点で困難な場合がしばしばある.ここにのべる第1例は手術所見,biopsyで診断がつかず,解剖によつてはじめて診断確定した症例である.
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