外国文献
小児癌外科の進歩,他
pp.307-313
発行日 1962年4月20日
Published Date 1962/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202883
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
小児癌ほど発育速く発育刺激の明かな癌はない.したがつて早期発見,早期治療は小児癌ほどつよく要望される.小児期の甲状腺癌は増加しつつあり,小児の甲状腺結節・頸部リンパ腫の甲状腺癌における意義は益々注目され,胸腺照射は甲状腺発癌を促すというような事実がある.結腸ポリポージス・潰瘍性結腸炎・食道狭窄・肺嚢胞・熱傷瘢痕・放射性皮膚炎等々は小児期には悪性でなくとも前癌性の変化とみるべきである.こうした諸事実をよく弁え,また,FUO(fever of unknown origin),FTT(failure to thrive)というのを仔細に吟味すると小児癌を発見することがある.その他あらゆる可能の診断技術を用いて早く発見する必要がある.著者の治療方針は単に生命を延長することには主力をおいていないらしい.最近の強力な照射法,骨髄庇護法,抗癌剤ことにneuroblastomaに対するビB12などは興味ある有力な方法である.が主たる治療法は成人の場合と同じく手術療法で,小児癌の主なものの手術法を述べている.Wilms腫瘍,必ずしも術前照射しなくもよい.限局していてもかなり大腫瘤となるが,転移がなければcurable.治療開始を一刻も早く,腫瘤操作を最少に,適切な適応をえらび巧みに手術というのがモットー.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.