外国文献
重複癌,他
pp.1610-1613
発行日 1967年11月20日
Published Date 1967/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204463
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二重複癌は100〜150癌に1例,三重複癌は2000癌に1例(0.8〜4.8%)といわれ,Bauer(Krebs problem,1963,G.Thieme)のように重要視しない学者もある.本欄でもすでに何回か紹介したように4重複癌の例などは遺伝的因子,奇形などと関係あるのもあり,各国から精査して報ぜられている.Drömer(Zbl.Chir.92:943,1967)の50歳男,家族歴特記すべきものなし,上腹部不定痛,食思不振,ときどき嘔吐,8kgの体重減少で来院,S結腸部に5×5cm大,可動性,やや圧痛ある腫癌.開腹,S結腸中部に潰瘍化せる腺癌,根治術.56歳胆嚢炎にて治療,57歳秋,下腹部仙痛,排便障害,体重減少,X-Pで再発の像なし.肝彎曲部6cm大の腫瘤,58歳切除術.円周状,粘液産生多き腺癌.59歳右頸部腫脹,耳鼻科でProbeを取り,右扁桃腺からのRethotel-sarkom.照射.その冬胃通過障害.大出血.開腹.前庭癌,膵転移.第1癌と第2癌は組織像が共に腺癌であるが8年の間隔あり,別々のものと考えたい.4重複癌の1例といつてよいであろう.
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