Japanese
English
綜説
胃曲線による胃下垂症の運動機能的分類
Classification of gastroptosis on gastric motility
中村 武
1
,
山本 勝美
1
,
広田 和俊
1
,
高橋 康
1
,
平島 毅
1
Takeshi NAKAMURA
1
1千葉大学中山外科
pp.255-260
発行日 1962年4月20日
Published Date 1962/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202875
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胃下垂症の愁訴の中心となつている"胃部膨満感""食べものがもたれる"等は胃の運動機能が減退したいわゆる胃アトニーに起因するのもと考えられる.報告によれば胃下垂にアトニーが伴つて現われることがしばしばであり食物の幽門部通過機序に対し,胃の蠕動運動が占める役割は大きい.レ線的に胃アトニーは胃の蠕動機能の減弱と定義されているが,実際の場合従来主としてレ線判定によりそこには主観的なものが入り明確に判定する基準がなかつた.ところが,われわれは外科臨床の立場からアトニーを手術的に治療するとか,下垂症の手術適応をきめる場合の基準や分類が必要と思われるので今回試験対象として胃運動機能減退自律神経症状を訴え,しかもレ線的に胃下垂がある患者の胃内圧を平島によつて2,3工夫したバローン,キモグラフィ法で胃運動曲線を採取し新たに波型による胃下垂症の分類をしたので報告する.
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