Japanese
English
綜説
術後急性肺水腫の発生機転並びに早期診断法
Pathogenesis and early diagnosis of postoperative acute pulmonary edema
脇坂 順一
1
Junichi WAKISAKA
1
1久留米大学
pp.717-735
発行日 1960年9月20日
Published Date 1960/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202640
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Ⅰ.緒言
手術後に高度の呼吸困難,泡沫性血性喀痰,胸部の湿性ラ音聴取,全身のチアノーゼ等の特有の症状を伴つて急激に招来されるいわゆる術後急性肺水腫は,その約90%が胸部手術後に合併され,これ等の約60%という大半が本症の為に死亡し,しかも本症による死亡は肺外科の直接死亡率の約10%強を占めるという真に厄介なしかも重篤な合併症である.私共はこの術後急性肺水腫について過去7年半にわたり,一連の研究を続けてきたが,今般第60回日本外科学会総会の宿題報告を担当するにあたり,主として本症の発生病理,病態生理,早期診断法等について研究の一端を取纒めて述べることとする.
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