Japanese
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綜説
血液型抗体の最近における知見—特に臨床的役割に就て
The recent finding in blood group antibodies:about its chimical meaning
国行 昌頼
1
Masayori KUNIYUKI
1
1東京医科歯科大学法医学教室
1Department of legal medicine School of medicine Tokyo Medical and Dental University
pp.227-232
発行日 1960年3月20日
Published Date 1960/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202566
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まえがき
今世紀の初頭,K.Landsteinerによつて始めてその幕を開かれた血液型の研究史は,1940年のRh-Hr式血液型の発見を契機として新らしい段階に入り,いくたの新知見を加えるに至つた.このいみで1940年という年は,血液型研究史の上で,ABO式血液型の発見に劣らない重要な意義ある年ということができる.
即ち,Rh-Hr式血液型の発見は,そのいと口において血液型の生体内におよぼす臨床的影響としてABO式血液型同型間輸血の副作用や胎児赤芽球症発生への役割を明らかにしたが,このことはさらにその後の研究によつて,血液型抗原の種類によつて,生体内における抗体産生能にいちじるしい違いがあることを明らかにし,さらに血液型抗体に対する従来の概念をも一新した.
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