Japanese
English
綜説
イレウス侵襲と下垂体副腎皮質(その1)
Studies on Pituitary Adrenocortical Activity in Acute Intestinal Obstruction (1st Report)
吉葉 昌彥
1
,
榎本 茂
1
,
小島 昭三
1
Masahiko YOSHIBA
1
1日本医科大学松倉外科教室
1Matsukura's Clinic of Surgery Nippon Medical College
pp.215-225
発行日 1960年3月20日
Published Date 1960/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202565
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緒言
イレウス侵襲の激甚にして一瞬にして生命を脅かし,幸に原因の除去,罹患腸管の切除または糞瘻造設等の適切なる処置を施行し得たとしても,その予後は決して楽観を許さず,忽然として鬼籍に入る事実のあることはわれわれ臨床医家の日常経験する処である.
このイレウス死に関して松倉教授1)は第54回日本外科学会総会宿題「イレウス」においてその多年に捗る諸研究成績よりイレウス死因の有力なる一因子として松倉教授の謂うイレウス抗原を抗原とする自家抗原抗体反応によるアナフィラキシーシヨツクの発来性を臨床的ならびに実験的に立証すると共に,さらにイレウス時における血中有効物質の本態は種々なる角度より検討した結果,ヒスタミンに非ずしてアセチールコリンなることを確認され,斯くしてイレウス時生体はアセチールコリンの過剰産生により甚だ重篤なる障害を蒙り死に到るものと推察結論された.
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