Japanese
English
綜説
イレウス時におけるヒスタミンの再検討
Studies on the Histamine in Ileus
代田 明郎
1
,
三樹 勝
1
,
守谷 林太郎
1
,
大川 共一
1
Akio SHIROTA
1
1日本医科大学松倉外科教室
1Dept of Surgery, Nihon Medical College
pp.23-32
発行日 1960年1月20日
Published Date 1960/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202527
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Ⅰ.緒言
松倉教授1)は第54回日本外科学会総会宿題イレウスにおいて,イレウス時の血中有効物質の本態は種々なる角度より検討した結果,ヒスタミンに非ずしてアセチールコリンなることを確認すると共に,本有効物質はイレウス時血中ならびに腹水中に著しく増量することを立証し,イレウス時生体はアセチールコリンの過剰産生により甚だ重篤なる障害を蒙り死に至るものといわゆるアセチールコリン説を提唱され,爾来アセチールコリンがイレウス時の有効物質の本態である幾多の事実を発表2-11)されている.
ところで従来よりいわゆるイレウス毒物の本態としてヒスタミンが有力視されているので,われわれは松倉外科教室におけるイレウス死因の本態に関する研究の一環として,ヒスタミンに就いても再検討しているのであるが,今回はイレウス時の血中ならびに諸臓器組織におけるヒスタミン,これが分解酵素たるヒスタミナーゼならびに生成酵素たるヒスチジンデカルボキシラーゼの変動に関するわれわれの研究成績の一部を次に報告しよう.
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