Japanese
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綜説
津田外科教室に於ける線維増殖性虫垂炎の統計的観察
Statistical Report of the Fibroplastic Appendicitis experienced in Tsuda Surgical Clinic
坂口 勳
1
,
岩佐 雄三
1
Isao Sakaguchi
1
,
Yuzo Iwasa
1
1岡山大学医学部津田外科教室
1Surgical Clinic, School of Medicine, Okayama University
pp.609-614
発行日 1957年8月20日
Published Date 1957/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202023
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Ⅰ.緒言
回盲部に発生する非特異性炎症腫瘍で,虫垂に起因するものは線維増殖性虫垂炎と呼ばれている.この名称は1914年Läwen1)が提唱したもので,彼は回盲部の非特異性炎症性腫瘍を3型に分類し,その第2型を広義の線維増殖性虫垂炎と第3型を狭義のそれとしていることは周知のことである.
我が国に於ても既に1912年(明治44年)後藤2)氏は慢性単純炎症性腸狭塞(回盲部)の症例を,1915年(大正4年)塩田教授3)は盲腸癌と誤疹された本症と思われる虫垂炎の1例を報告しているが,Läwenが上述の提唱をしてから俄然一般に注目されるようになり,1928年(昭和3年)安藤4)氏が始めて線維増殖性虫垂炎の名の下に1例の詳細な報告を行い,同年石山5)氏も自験例の報告を行つた.
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