Japanese
English
綜説
腰麻の基礎的研究
Fundamental study on spinal anesthesia
平井 伖
1
,
浜本 泰夫
1
,
古本 雅彥
2
Makoto Hirai
1
,
Yasuo Hamamoto
1
,
Masahiko Furumoto
2
1平田博愛病院外科
2岡山大学津田外科
1The Department of Surgery Hirata Hakuai Hospital
2Okayama University Tsuda's Clinic of Surgery
pp.617-619
発行日 1957年8月20日
Published Date 1957/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202024
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近来全身麻酔法は急速に普及し吾々の所に於ても気管内閉鎖循環麻酔器を備え,之を使用して居るが,一般外科手術の大部分を占める腹部以下の麻酔として腰麻は 1)経済上 2)極めて簡単な手技によれる事 3)筋弛緩が容易に得られる等の点より現段階に於ては必要欠ぐ事の出来ないものである,しかるに腰麻の危険性に関しては,腰椎麻酔死も度々報告され又多くの人々により古くから穿刺部位・薬品の種類,量,副作用等その本態に関して色々と研究されておるが,未だ不明の点も又少くない.吾々も麻酔死に至らなかつたが,其の偶発症其の危険性には度々悩まされ又吾々が経験した偶発症を観察して見ると吾々の例に於ては,臨床上より次の二群に分ける事が出来た.
1)麻酔波及が見る見る内に上昇を辿り肋間筋麻痺と老えられる様な呼吸困難を高度に訴え人工呼吸を長く行い漸く食い止めたもの
2)軽い呼吸困難とも考えられる症状(胸がせついと言う訴え)だけで四肢冷感・チアノーゼ・血圧降下を認めるが麻酔波及は上昇して無く胸廓運動も何ら障碍を受けてないもの
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.