最近の外國外科
妊娠後半期に於ける虫垂炎について,他
H. Rodewald
pp.52-53
発行日 1954年1月20日
Published Date 1954/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201370
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(Zbl. f. chirur. 1953. Heft 6)
新しい文献上妊娠性虫垂炎などの時期に於いても,早期手術を推奨しているが,妊娠後半期の虫垂炎に関しては,子宮壁が炎症に関與せる限りに於いては子宮内容の排出が必然的に併発するから中絶すべきだ.否,姑息的にすべきだ等の意見があるが.
著者は経驗せる 1.6ヵ月,2.8ヵ月,3.7ヵ月の虫垂炎併発例より,單純性炎は虫垂切除後妊娠保持が出来たが,汎発性腹膜炎をおこし子宮壁に炎症が波及したものは早晩すべてに早期分娩が来るから,虫垂切除,誘導後子宮内容も同時に排出した方が,自然に経過する分娩に比し負担が少く,又腹膜の吸收面が全く減じるし,汎発性腹膜炎併発例はどのみち致死の結果を来し,出産を持続することは出来ないから,母親の生命への第1適應としては,自然娩出を待つ生活力ある胎兒を念頭におきながらも妊娠中絶を提案する.
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