Japanese
English
綜説
地方病院に於けるスクリーニングテスト実施経験について
Clinical Experience of the Screening Test at a Country Hospital
近藤 芳夫
1,2
,
石井 好明
1,2
,
森岡 幹登
1,2
Kondo YOSHIO
1,2
1御殿場市富士病院外科
2東大分院外科
2The Surgical Clinic of Tokyo University Branch Hospital
pp.177-182
発行日 1957年3月20日
Published Date 1957/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201944
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1.緒言
最近,診断・治療に於ける客観的検査成績の果す役割は,その方法の発達普及と共に大きくなりつゝある.之により,診断が正確になるのみならず,在来の診療に於ては不可能であつた臨床症状発現以前に疾患を発見することも可能となり,合理的に対策を講ずることができるようになつて来た.又,侵されている臓器のみならず,全身状態を把握することが,特に外科の診療に於て重要なことが明らかになつているが,この為には多くの検査を必要とする.しかし,従来の方法では特殊の大病院を除いては,設備,技術等の制限の為,この要求を充たすことは不可能であり,個人的経験と主観を基にして診療しているのが現状である.我々は少しでもこの要求を充たすべく,東大分院外科及び中央検査室より発表された方法1)2)3)4)11)を根幹として,簡単に全身機能状態の客観的データーを与えるスクリーニングテストを地方病院に於て実施しているが,過去1年間,主として外科患者約300例の経験によつて,この方法が極めて役に立つことを認めたのでこゝに報告する.尚,我々がテストを実施した御殿場市富士病院はベット数150の一般病院で,臨床検査はすべて技術員1名,助手1名により行なわれている.
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.