Japanese
English
綜説
臨床血液検査の一考察—殊に"白赤比"の價値について
A consideration of Clinical Blood Examination
井上 利之
1
,
嵯峨山 隆
1
,
山田 厚
1
Toshiyuki INOUE
1
1神戸医科大学第一外科
1Dept of Ⅰst surgery Medical school, Kobe University
pp.173-176
発行日 1957年3月20日
Published Date 1957/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201943
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Ⅰ.緒言
臨床家にとつて,患者の複雑な病態を正確に診定し,病名診断の確定と予後の推察を得る為に行われる臨床検査は必要不可欠のものであり,なお特に外科入院患者は,その殆んどが手術療法を必要としているが,これは病的状態にある患者を更にストレスを加える事になり,しかもそれによく堪えて健康を恢復しなければならない.かゝる意味で外科入院患者の術前検査は一層慎重に行われねばならない.吾々は当外科入院患者の血液諸検査を担当し,極く最近の血液一般検査成績を統計的に観察し,従来の成績と多少異つた所見を得たのでこゝに報告すると共に従来観みられていない赤血球数と白血球数の比(白赤比と仮称する)の重要性に着目し新たに"白赤比"なるものを提唱し,諸賢の御批判を乞う次第である.
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