けんさアラカルト
地方病院における卒後教育
藤井 保信
1
1愛媛県立今治病院検査部
pp.1244
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204310
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免疫学,血液学を中心に臨床検査における最近の進歩は目覚ましく,地方病院においても高度の技術と専門的知識が要求されている.このような情勢の中にあって,卒後・生涯教育は個人,病院,地域を問わずそれぞれに種々の課題を抱えている.中小の公立総合病院検査室に勤務しながら感じてきたことを述べてみたい.
地域の中核病院として地域医療,患者サービスの向上に向けてさまざまな方策,催しが,自治体病院を中心として,医療を取り巻く環境が厳しさを増しつつある中で進められてきた.24時間救急体制もその一環であるが,宿日直を導入できる検査室は少なく,時間外待機制で対応せざるをえない.いずこを問わず,救急検査の内容にそれほどの違いはない.体制不十分な検査室にとっては時間的にも精神的にも限界に近く,成績管理もおろそかになりがちである.また,独立した緊急検査室を有し,専用機器が配備されてはいても,常駐する専門医,専任技師の指導・教育に管理者の理解が示されなければ,検査成績に対する責任感も薄らぎ,正しい患者管理はできない.そうして,卒後,最初の教育であろうと思われる救急検査の対応から,つまずいてしまうのではないだろうか.
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