What's your diagnosis?[144]
Gに聞け!—地方病院の弱み!?
片岡 祐
1
,
幕内 陽介
1
,
和田 幹生
1
,
川島 篤志
1
1市立福知山市民病院総合内科
pp.1072-1076
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200098
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病歴
患者:21歳,男性.自衛隊員.
主訴:呼吸苦.
現病歴:半年前(1回目のイベント):受診当日の午前中,10kgの銃や装具を身に着けて普段通りの走行訓練を行っていた.最初は先頭を走っていたが,500m過ぎたところでペースが徐々に落ち最後尾となった.1km付近で停止し,多量の血痰(本人の申告)を認め救急搬送となった.来院時SpO2 74%室内気→90%(15lリザーバー),呼吸数42/分,血圧140/80mmHg,脈拍90/分・整,GCS:E4V4M6,体温36.4℃.胸部X線・CTでは肺胞出血を示唆する所見(図1,2)を認めた.循環器内科医施行の心エコーでは有意な所見なし.気管挿管・人工呼吸管理とし,集中治療可能な高次機能病院にドクターヘリで搬送した.搬送先での気管支鏡所見は肺胞出血に矛盾せず.搬送直後に血圧60mmHg台,心エコーで重度の壁運動低下を認め,カテコラミンを使用したが,翌日には心機能の著明な改善あり,カテコラミンから離脱した.入院5日目に退院となった.その際には「運動誘発性肺胞出血」の診断となり,当院外来で経過観察しており,その後は通常の訓練もしていたが問題はなかった.
今回,昇級試験のマラソンで1,500m走ったところで同様の喀血,呼吸苦があり,救急搬送となった.
既往歴:生後2カ月で喘息の指摘;自然軽快.
生活歴:喫煙:10本/日×2年,飲酒:なし.
内服歴:なし.
家族歴:兄・弟:気管支喘息.
アレルギー:なし.
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