Japanese
English
綜説
剔脾の婦人生理,特に妊娠,出産に及ぼす影響について
Womans Physiology, who rejected her Spleen. Especially, Infeuences against her Pregnancy, Delivery etc
米川 溫
1
,
河原 和夫
1
Atsushi YONAKAWA
1
1鳥取大学医学部外科学教室
1Dept of surgical Clinic, school of Medicine Tottori University
pp.167-171
発行日 1957年3月20日
Published Date 1957/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201942
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1.緒言
1549年Zaccarelliによつてはじめて婦人に剔脾が行われて以来,多数の女性に於ける剔脾例が経験されて来た.慢性脾腫を有する症例は女性が圧倒的に多く,月経不順を訴える者が多いことはすでにDamshekが指摘している所である.又Israel and mendell或いは,Goldburgh and Gauley等の月経過多が栓球減少性紫斑病の最初の,或いは唯一つの徴候であることが多いと述べているように,女性性器と脾臓との間には何等かの関係があると推定されている.他方Zondeckは1944年脾臓は恐らく内分泌器官に属するものではなかろうかと述べ,脾抽出液が抗利尿作用を持つこと,及び基礎代謝を低下せしめることを示した.続いて脾臓の内分泌機能に関してUngarも1945年脾臓からSplenin A及びBなる物質を抽出して之がホルモン様の作用を有するものであることを実験的に確かめ,此の両者の産生は副腎皮質ホルモンによつて調節されると述べている.
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