文献紹介
肥満婦人と出産,他
pp.297
発行日 1963年4月10日
Published Date 1963/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202784
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肥満者は寿命が短かく,危険症に対する抵抗性が低い。身長5フィート7インチ以外,体重160ポンド以上,単胎の妊婦92例を,16〜30週検討。まず食事をしらべ,1日1500Cal,蛋白95gに制限,鉄,VB1は豊富に与う。こうした制限できたもの48名,規定以上摂食したもの44名,これに比較のため同年令層,妊娠関係の一致する48妊婦を設定した。さて肥満婦人は従来の妊娠中,toxe—mioその他の合併症が33%ほど見られた。節食成功者はこの期間に11.3±5.3ポンド体重減少,節食不成功は3.2ポンドの体重減である。成功群からは中毒症・出血・血栓症・腎盂腎炎などの合併症11例,不成功群からは21例出た。つまり成功群では合併症が半減した。成功群からは自然分娩44,不成功群35で,成功群は自然分娩がより多く,したがつて,人工分娩・帝王切開が少い。分娩に要した時間も成功群が短かかつた。肥満妊婦の最大の合併症は出血(アトニー,前置胎盤,早期剥離など)で,これも成功群4,不成功群9となつて,前者に少かつた。成功群は分娩後体重が20ポンド低くなつていたが,不成功群は6.7ポンド減にすぎない。生れた新生児の身長体重には,両群に有意差がない。流産4は成功群から1,不成功群から3。新生児死は成功群1,不成功群1。以上から,肥満者では中毒症が多く,体重を減少せしめると低率になしうる。
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