Japanese
English
綜説
Phenothiazine系薬物の全身麻酔に対する応用に就て—第一報
Phenothiazine derivate for General anesthesia
秦野 滋
1
,
河野 光雄
1
,
福田 邦雄
1
Shigeru HATANO
1
1長崎大学医学部第一外科教室
1The First Surgical Clinic, School of Medicine Nagasaki University
pp.499-505
発行日 1956年7月20日
Published Date 1956/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201831
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1.まえがき
全身麻酔を行うに当り麻酔者が常に念頭に置かなければならないことは,ほゞ次の3点に要約される.即ち(1)何れの麻酔剤を用いる場合にも術中麻酔そのものゝ生体に及ぼす影響を可及的僅少にとゞめること,(2)麻酔剤を種々組合せ又は麻酔補助剤を巧みに用いて出来るだけ円滑な麻酔を行い,術者に満足な手術操作を遂行させること,(3)最後に麻酔後の副作用の発現を充分な管理によつて防止する,ことである.此等のことは麻酔技術と直接関連することであつて,以上を完全に行うには多くの経験と熟練とを要するは言を俟たない.
この目的のために,近時全身麻酔が急速に普及するにつれ前投薬,導入,挿管等に就いて種々の工夫改良が行われ,その試みについての報告も枚挙に遑まがない.
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.