Japanese
English
特集 向精神薬をめぐる問題点
Phenothiazine系薬物の内分泌系に及ぼす影響
Endocrinological Manifestations induced by Phenothiazine Derivatives
酒井 正雄
1
,
平田 一成
2
Masao Sakai
1
,
Issei Hirata
2
1横浜市立大学医学部神経科学教室
2愛光病院
1Dept. of Neurology & Psychiatry, Yokohama City Univ. School of Med.
2Aiko Mental Hospital
pp.493-498
発行日 1971年5月15日
Published Date 1971/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201749
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
侵襲に対する生体の過剰な防衛反応を抑制する目的で使用されたchlorpromazineはその独特な鎮静作用から精神科領域に導入され,精神科領域の治療方法はそれを契機として大きく変化してしまった。phenothiazine系薬物の重要な作用点の一つが間脳視床下部にあることからも明らかなようにphenothiazine系薬物が内分泌に種々の影響を及ぼすことは当然のことであるし,諸々の検査成績の報告をみても,phenothiazine系薬物投与によって種々の変化が起きることがわかる。しかし,臨床的にはっきりと内分泌障害による異常な病的状態と断定出来るような非可逆的な変化についてはあまり報告されていない。
ここでは臨床的にphenothiazine系薬物による内分泌系の変化として報告されたもののいくつかについて述べることにする。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.