Japanese
English
研究と報告
Phenothiazine系薬物投与により錐体外路性運動過多および著明なる錐体路症状を示した1症例
A case showing extrapyramidal hyperkinesis and pyramidal symptoms caused by phenothiazine-compounds.
宮川 太平
1
T. Miyakawa
1
1熊本大学神経精神科教室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Kumamoto University
pp.537-541
発行日 1963年7月15日
Published Date 1963/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200582
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(1)われわれは,1分裂府患者においてPhenothiazine系薬物投与により,
a)ヒヨレア・アテトーゼ・チック・振顫および筋搐搦などの著明な運動過多症状,
b)バビンスキー・オッペンハイム・ロッソリモ・チャドックおよびメンデル-ベヒテレフ現象や足間代などのいわゆる錐体路症状,および
C)パーキンソニスムス,
などのおこることを観察した。
(2)Chlorpromazine,Perphenazine,Fluphenazineの投薬・量の変化・中止などと,⊥記諸症状の消長とは一致することが,臨床実験で証明された。
(3)本例においては,上記運動過多現象・錐体路症状をおこす作用はFluphenazineがもつとも強く,パーキンソニスムスはChlorprolnazineによりもつともおこりやすいことを認めた。一般にこれらの副作用をおこす力は,Fluphenazineがもつとも強く,あとはPerphenazine,Chlorpromazine,の順であつた。
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