Japanese
English
研究と報告
Phénothiazine系薬物の副作用—乳汁分泌について
Réaction Secondaire des Dérivés de la Phénothiazine: A Propos de la Lactation
平田 一成
1
,
山県 ちさと
1
,
石井 正明
2
,
内山 正徳
2
I. Hirata
1
,
C. Yamagata
1
,
M. Ishii
2
,
M. Uchiyama
2
1横浜市立大学医学部神経科学教室
2大和病院
1Dépt. de Neuropsy-chiatrie, L'Université municipale de Yokohama
2L'hôpital psychiatrique Yamato
pp.671-674
発行日 1966年8月15日
Published Date 1966/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201054
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I.まえがき
乳汁分泌は,女性の妊娠期,とくに産褥期に現われるのがふつうであるが,ときにはそれ以外の特殊な条件のもとでもみられるといわれている。
昭和38年5月16日に,著者のひとり,平田はひとりの未婚の分裂病患者が,どうもシャツがぬれておかしいと訴えたことから,それがいちじるしい乳汁分泌であることに気づいた。そしてこれがchlorpromazineの長期投与にもとづくものではないかという疑いをもち,文献を調べたところ,ReissやCornuは,すでにそれを記載していることを知つた。ことにReissはchlorpromazineの副作用として,乳汁分泌は,めずらしくはない。そしてそれはchlorpromazineの卵巣への一次性の副作用であると述べている。
そこで,われわれは,この事実を,多数例について観察することを計画した。
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