Japanese
English
綜説
主麻酔としての靜脈内点滴注入麻酔法
Intravenous Dropping Anesthesia as the main Anesthesia
山田 栄吉
1
,
戶叶 公明
1
,
白石 勝美
1
,
吉池 守
1
Eikichi YAMADA
1
1国立沼津病院外科
1Numazu Natinal Hospital
pp.303-305
発行日 1956年5月20日
Published Date 1956/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201801
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I.緒 言
現在実施せられて居る各種手術麻酔法は既に種々の麻酔剤と共に検討されて居るが,凡そ今日の麻酔は手術に対する無痛効果以外に種々の大きな目的が包含されて居ると考えなければならない.例えば前麻酔殊に基礎麻酔に就いても患者の精神的抑制(恐怖心抑制・手術記憶衷失等々)以外にGuedelの指摘せる如く基礎代謝の低下換言すれば個体の被刺戟性,生体反応の低下に依り術中の不快なる偶発合併症の防止にも極めて重要なる意義を有する.斯かる目的で我々は基礎麻酔も所謂迷蒙状態の域を脱して深い睡眠状態に入らしめるために朝倉斌博士(前外科医長)以来オピスタン・スコラポラミン併用又はオートン・パンスコ併用を実施し最近は静脈内点滴注入麻酔を併用して甚だ良効なる結果を得つゝある(基礎麻酔の検討に就いては稿を改めて報告する予定である).斯かる折柄従来基礎麻酔として実施した静脈内点滴注入法を主麻酔としても追試して見たのでその臨床報告をする事にした.
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