Japanese
English
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経靜脈性脂肪輸入に関するその後の研究
Studies on the Intravenous Administration of a Fat Emulsion
日笠 賴則
1
,
麻田 栄
1
,
塚田 朗
1
,
巽 亘
1
,
西野 忠之
1
,
妹尾 覚
1
,
森井 外吉
1
Yorinori HIKASA
1
,
Sakae ASADA
1
,
Akira TSUKADA
1
,
Wataru TATSUMI
1
,
Tadanori NISHINO
1
,
A. SENO
1
,
Sotokichi MORII
1
1京都大学医学部外科教室
1From the 2nd. Surgical Division, Kyoto University Medical School
pp.707-711
発行日 1953年12月20日
Published Date 1953/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201339
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我々は靜脈内へ安全に注入し得る脂肪乳剤を作製し,これを動物実驗的に使用した際に於ける本剤の体内代謝過程の一部を嚮きに報告した.即ち靜脈内へ注入された2μ以下の脂肋球は先ず肺胞貧喰細胞,肝星芒細胞,脾臓の網内系細胞群攝に取され,それら細胞内で注入脂肪球はLipoid化し,然る後肝実質細胞並びに全身の組織細胞内に入り,利用されるものであろうとの実驗結果を得た.而も斯る所見は脂肪の経口的投與の際と形態学的には大体同一の組織顯微化学的所見を示す点からも,本脂肪乳剤の如く脂肪を乳化状態で靜脈内へ注入しようとする我々の企てが当を得たものである事を実証した.併し乍ら以上の報告1-6)は何れも從来からの脂肪の体内代謝過程に関する常識からすれば,その第一の段階を取扱つたものに過ぎず,從つて直ちにこれらの成績のみを以て本脂肪乳剤の栄養学的價値を云々するわけにはゆかない.この欠を補うべく更にその後今日迄に我々がなし得た実驗成績を此処に追加発表する次第である.
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