Japanese
English
綜説
肺結核における両側肺切除
Bilateral Resection in Pulmonary Tuberculosis
西 純雄
1
,
佐藤 章
1
,
谷野 順造
1
,
浅野 隆
1
,
岩淵 正賢
1
,
村田 雅彥
1
,
沼田 尹典
1
,
田川 公一
Sumio NISHI
1
,
Koichi TAGAWA
1国立岡山療養所
1National Okayama Sanatorium
pp.663-671
発行日 1955年10月20日
Published Date 1955/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201683
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まえがき
従来肺結核症の治療として肺切除の対象とした症例は一側肺病巣が主であり,両側肺に病変を有する場合は他の方法,とくに虚脱療法によつて加療されてきた.近年肺切除の安全が確立して次第にその適応も拡大せられ,且つ呼吸機能の温存が考慮されるようになつた結果,両側肺結核症に対して肺切除と虚脱療法の組合せ,あるいは両側肺切除(両側肺葉切除,一側肺葉切除+対側区域切除,両側区域切除など)による治療法が次第に採用されてきている.われわれが田舎の療養所で診る外来患者のうちにはこのような治療法が適当と老えられる症例も割合多いのである.
欧米では1932年Elocsserの報告以来.Chur—chill,Overholt,O'Brien,Kergin,Bisgardらにより気管支拡張症に対する両側肺切除例の報告は多い.Overholtは肺結核症に対しても本法を採用したが,最近はLowell&Conklin,Shumweyet al.によつてそれぞれ10数例の経験が発表されている.
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