Japanese
English
特集 整形外科特集号
股関節結核治療の検討
Study on Treatment of Tuberculosis of the Hip Joint
伊藤 鉄夫
1
,
植木 省三
1
Tetsuo ITO
1
,
Seizo UEKI
1
1山口医大整形外科
1Department of Orthopedic surgery, YAMAGUCHI Medcal College
pp.793-799
発行日 1954年11月20日
Published Date 1954/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201539
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
関節結核治療の原則は何れの関節に於ても厳守されなければならないのであるが,今特に股関節結核をとりあげた理由は,股関節結核は種々な治療法の効果を分折的に研究するのに最も好都合な条件を供えているからである.股関節は特有な解剖学的構造を有するために他の関節に於ては見られない様な複雑な病変が起り,そのために各病変に応じて治療法を変えてゆかなければ充分な治療効果を挙げることは出来ない.而もその治療法は常に一貫して関節結核治療の原則に従つておらねばならないのであるから,股関節結核治療に就いて研究することは関節結核治療の普遍的原則を研究することになると考えられる.それで茲では股関節結核における私共の治療経験について述べると共に他の関節結核の治療に就いても少しずつ検討を加えて行きたいと恩つている.そうすることによつて関節結核治療法の全貌が非常に明瞭になり,又正しい批判への基準が得られるだろうと思つている.
これから述べることは,その大部分が以前から考えられ,また行われて来た種々な治療法の範囲を出るものではない.たゞこれ等の治療法を一つの体系として整理したいという望を持つているのであつて,これはそのための思惟過程であると理解していたゞきたい.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.