論述
股関節症の病変進展のレ線学的研究
伊藤 鉄夫
1
,
赤星 義彦
1
,
森 英吾
1
,
藤川 重尚
1
,
加藤 実
1
,
野坂 健次郎
1
,
藤田 仁
2
Tetsuo ITO
1
1京都大学医学部整形外科学教室
2大津日赤病院整形外科
pp.2-14
発行日 1968年1月25日
Published Date 1968/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903858
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緒言
股関節症の病変は関節軟骨の破壊にはじまり,嚢包の形成,関節変形,関節嚢の線維化,関節荒廃の途を辿るのであるが,個々の症例についてその経過を観察してゆくと,発病年齢,病変進展の速度,病変の型にかなりの相違がみられることがわかる.しかし,本症では,なんらかの有効な治療が行なわれない限り,病変はその進行を停止することはない.不均衡な荷重,関節を構成する各組織の破壊,それに随伴する修復機転などの相関関係が生活環境や組織老化の影響をうけながら常に病変悪化の方向に進み,荒廃してゆく.
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