Japanese
English
症例
脊髄腫瘍を思わせた脊椎カリエス急性麻痺発現の1例
A cute paralysis of caries,seemed to be spinal tumour
島田 泰男
1
Yasuo SHIMADA
1
1市立宇和島病院外科
pp.159-161
発行日 1954年3月20日
Published Date 1954/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201397
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脊髄圧迫麻痺に関しては外科的方面に属するもののみでも5,6には分類されるが,脊髄腫瘍にしろ,脊椎カリエスにしろ,大抵は,腫瘍の増大,カリエス進行,等に從つて徐々に麻痺症状が現らわれて来るものである.併し脊髄腫瘍の中,硬膜内髄外に発生する腫瘍はElsbergによれば,初期,即ち初発症状から神経痛様疼痛乃至脱力感ありて急激に麻痺状態へ進行するといわれている.
私は最近高齢者に於て,両下肢の弛緩性麻痺を急激に呈し来た一例を経験し,手術により脊椎カリエスの硬膜外膿瘍並びに同部位の黄靱帯肥厚による圧迫麻痺と判明し,術後に術前所見を反省検討し,脊髄腫瘍ではなくて,脊椎カリエスに依るものと診断され得べき例であつた事を痛感したので報告する.
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